バイクではエンジンの焼き付きが起きることもあります。
焼き付きという言葉はしばしば聞くことがあるかと思いますが、具体的な症状などまではよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
危険といっても良い焼き付きですが、できるだけわかりやすく解説をしたいと思います。
バイクの焼き付きとは?
焼き付きの軽い症状については抱きつきといわれます。
(ただし抱きつきとは本来ピストンとシリンダーとの固着を意味するのでキックもできない症状を出し、ある意味では焼き付きよりも重症というようにいっても良い側面もあります)
まだ抱きつきであれば、エンジンを冷やせばまた始動もできますが、焼き付きでとはまた違います。
焼き付きの症状としては
- エンジンがコツン、カタンカタンと異音がして動かなくなる
- エンジンがロックしてしまう
エンジンがロックすれば転倒する危険性もあって危険といえます。
エンジンのロックという現象はシリンダー内壁のエンジンオイルの油膜が切れてしまうことが原因で起こります。
これによってシリンダーとピストンリングの鉄同士が直接触れるため摩擦が大きくなりエンジンが強制的に止まるようになります。
そのため焼き付きとなると走行することができなくなります。
またエンジンへの過負荷によっても焼き付きは起きることもあります。
- フルスロットルで長い時間走った
- ノッキングをずっと放置してきた
- ハイオク仕様車でもレギュラーで長期間走ってきた
というようなときも焼き付きの原因となることもあります。
焼き付きが起きれば修理できる?
エンジンの焼き付きが起きれば修理するというよりもエンジンの載せ替えというほうが良いかもしれません。
修理するのであれば
- エンジンを分解する
- ピストン、Oリングなどの交換
- その他、パーツの研磨
など複雑で繊細な作業が必要となります。
シリンダーとピストンの焼き付き程度であればシリンダーボーリング加工出しをして、その後にオーバーサイズピストンに交換すればエンジンが戻るようになります。
しかしクランクの角度ズレまで起きていれば修理はかなり苦労すると思います。
このような修理をするのであればエンジンの載せ替えをするというほうが費用的には現実的だと思います。
エンジンの焼き付きとセルの反応
焼き付きが起きればセルを回すとどのようになるのでしょうか?
セルが回るのであれば焼き付きの可能性は低いといえます。
- 軽い焼き付き ギギと異音がするがセルは回る
- 重い焼き付き セルは回らない
というような症状が出てくることが多いです。
セルが回るのにエンジンがかからないときには点火系の不具合が多いので、プラグから点検していきましょう。
焼き付きの主な原因はエンジンオイルの不足、過負荷です。
このような原因に心当たりがなければ単なる点火系の不具合が起きているだけということも多いです。
エンジンの焼き付きとキックの感触
セルでなくキックではどのようになるかということですが、
焼き付き
- キックしてもスカスカする感じがある
- キックしたときに引っかかりがある
抱きつき
- キックがかなり重くなる
- キックできない
焼き付きと抱きつきとでは症状が違います。
シリンダーとピストンとが固着してキックができないというのが抱きつきです。
エンジンの焼き付きとオーバーヒート
エンジンの焼き付きの原因とはオーバーヒートでもあります。
無茶な走行やオイル切れが原因ではありますが、要するにエンジンが高温になりすぎていることが原因というわけです。
そのためオーバーヒート対策もしておくことで焼き付きにまでならないようにしていくこともできるということになります。
エンジンの焼き付きやすいバイクとは?
上のオーバーヒートの原因や予防方法のページでも解説していますが、焼き付きやすいバイクというのは基本的にメンテナンス不足のバイクといえます。
自分でエンジン分解をできるようになる必要もありませんが、バイクに必要な最低限のメンテナンスを知ることでも寿命を伸ばすことにもなります。
車検にただ出すだけ、車検のないバイクというのは特に焼き付きなど重症になることもあるので、長く乗れるための知識は持っておいてほしいと思います。
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