スリッパークラッチというパーツがスポーツバイクについていることもありますが、このスリッパークラッチについてよくわからないということもあるかと思います。
今回はスリッパークラッチについてできるだけわかりやすく解説したいと思います。
スリッパークラッチとは?
スリッパークラッチというのは別名バックトルクリミッターともいわれることもあります。
その役割や効果というのは
- 急激なシフトダウンをしたときに発生する過大なエンジンブレーキに対してクラッチを滑らせて、リヤタイヤのロックの原因となるホッピングやスリップを緩和する
- 急激なシフトダウンでも車体を安定させることができる
- 乾式クラッチであれば発進のときのジャダーも緩和される
というようになります。
主にシフトダウンで効果を発揮するものであって、シフトチェンジをしないときには基本的に機能しないパーツといって良いです。
スリッパークラッチのデメリットとは?
レース走行などでは大きな効果を果たすパーツといえますが、一般道での走行ではそう大きなメリットということでもありません。
- クラッチの減りが早くなってしまう
- スリッパークラッチ自体の費用も高い
というようなところもあります。
スリッパークラッチの費用についてはパーツにもよりますが5万前後以上はしてくることが多いでしょう。
スリッパークラッチとブリッピング
スリッパークラッチのあるバイクでも高回転時にブリッピングしないでシフトダウンすればやはりリアタイヤがロックしたり、こするような感じは出てきます。
昔のレースでは
- 手動で半クラッチにして進入スライドをコントロールする
- ブリッピングする
- 手動の半クラッチとブリッピングの両方を行う
のどれを採用するのかはライダーが選択し、それによってエンジンブレーキを軽減させていました。
最近はこのようではなくスリッパークラッチが導入されたことで半クラッチの操作が不要になり、ブレーキングに集中できるというようになっています。
スリッパークラッチでもエンジンブレーキはなくなるわけでもありませんし、ロックはするのですが、タイヤが横滑りするだけなのでコントロールしやすいというわけです。
スリッパークラッチと2ストエンジン
スリッパークラッチを搭載すれば感覚的に2ストバイクに近くなるというような感じもあります。
- シフトダウンした直後だけ強いエンジンブレーキを感じる
- その後はその強いエンジンブレーキはいうまでも続かない
というようなところが主な体感ですが、4ストバイクでこのスリッパークラッチをつけることで
- スピードは欲しい
- そのため4ストエンジンの複雑な構造を採用する
- でも環境も汚したくない
ということで4ストでも2ストに近くすることでパワーだけ高い状態に持っていくのがスリッパークラッチでもあります。
そのため最初から2ストエンジンのバイクにすればこのスリッパークラッチというような発も必要ないといえます。
スリッパークラッチは必要?
上でも説明してきましたがスリッパークラッチというのはレース走行を想定したものであるといえます。
そのため一般道での走行がすべてであったり、ツーリングするにしてもまず必要ありません。
シビアなタイムを競うというバイク以外ではまず後付けする必要はないと考えて良いです。
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