エンジンの点火と走行中のエンジンの起動で重要な役割を果たすのがスパークプラグですが、プラグには熱価という値もあります。

プラグ交換時に熱価について聞くこともあるかと思いますが、一般的によくわからないといわれがちなプラグの熱価について解説をしたいと思います。

 

プラグの熱価とは何?その意味とは?

 

プラグの熱価というのは電極の冷める早さを意味します。

 

  • 熱価の低いプラグ 冷めるのが遅い
  • 熱価の高いプラグ 冷めるのが早い

 

熱価の低い、高いはプラグの数値で見ます。

数値の小さなものは熱価が低いという意味になります。

 

プラグの熱価とプラグ温度

 

プラグの熱価、番手というのは要するに放熱性の違いがあるということですが、この熱価になぜランクのような設定をして作成するのかということですが、プラグ温度の調整という意味もあります。

 

  • プラグの温度が高すぎれば混合気の自己着火が起きる
  • プラグの温度が低すぎれば煤が堆積しやすくなり放電しなくなる

 

エンジンが動いているときのプラグの温度は高すぎても低すぎても良くなくて、ちょうど良い温度に保つためにプラグの熱価や番手を複数用意したということです。

 

プラグの熱価とプラグの状態

 

プラグを見ればかぶり、焼けといった状態が出ていることもありますが、

 

  • プラグがかぶり気味 熱価を下げる
  • プラグが焼け気味  熱価を上げる

 

というようにします。

焼け気味であれば放熱性を良くするために熱価を上げ、焼けないようにするというように考えます。

 

プラグの熱価とエンジンの違い

 

まず熱価についてですが、熱価の上げ下げによって車種のエンジンごとに合わせることがあります。

 

  • 低回転型のエンジンでは熱価の低いものを使う
  • 高回転型のエンジンではプラグの熱価の高いものを使う

 

他にもライダーの走りの傾向によってプラグの熱価は調整していくのが基本となります。

たとえば低回転気味で走るバイクには熱価の低いものを使うといった感じになります。

 

プラグのかぶりと熱価の調整

 

ときどきプラグがかぶり気味となってしまうこともありますが、このときにはプラグの熱価を下げたものに交換するということも1つの対策となります。

ただ誤解する人も多いのですがプラグの熱価を下げてもエンジン自体の温度は下がりません。

そのためオーバーヒートが起きる可能性を下げるといったことまではプラグの熱価変更では期待できません。

 

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またプラグがかぶる傾向のあるバイクでは本当はかぶる根本的な原因を解消するほうが良いです。

よくあるのはキャブレター調整などを行うことなのですが、費用がかかるのでプラグの熱価を下げた後の様子を見て最終的にキャブレター調整をするかは決めると良いと思います。

 

プラグの焼けと熱価の調整

 

プラグの焼けが出ていれば熱価を上げるようにします。

しかしかぶりと同様にプラグが焼ける原因を特定し、解消することが解決となります。

エアクリーナーの汚れなど意外と基本的なメンテナンスができていないことでプラグが焼けることも多いのですが、ショップでプラグの焼けを相談してみて欲しいと思います。

 

プラグの熱価と街乗り、レース走行

 

プラグの熱価については他にも走りでも調整していくことが普通です。

 

  • レース走行 熱価を上げることが多い
  • 街乗り   プラグのかぶりがなければ標準の熱価で良い

 

レース走行ではプラグは焼け気味になりますが、そのため熱価を上げることで放熱性を良くします。

街乗りでは走行と停止とを繰り返すので通常の熱価で良いのですが、かぶりが出たときにだけ熱価を下げることになります。

 

プラグの熱価にこだわる必要はない?

 

プラグの熱価を上げれば出力も上がるというような話も聞く人もいるかもしれませんが、放熱性が変わるだけでそう走りに影響するものでもありません。

そのためプラグのかぶりが出ていないようであれば熱価を変えることも必要ないですし、仮に変えてもそう効果もないかと思います。

特に高額なプラグに変えれば走行性も変わるのではとイメージする人もいますが、プラグ1つの交換でそのような効果もないことのほうが圧倒的に多いといっても良いです。

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