バイクの購入、あるいは乗り換えなどを考えたときに空冷エンジンか水冷エンジンか迷うことも多いのではないでしょうか?
一般的に空冷エンジンは旧式で、水冷のほうが新しい感じがするという人は多いかもしれませんが、今回は空冷と水冷とを比較してメリットとデメリットにも解説をしたいと思います。
水冷エンジンのメリットとデメリット
まず水冷エンジンのメリットとデメリットについて列挙していきます。
水冷エンジンのメリット
- エンジン温度の安定化の機能が強い
- オーバーヒートしにくい
- エンジンの温度が安定させやすく、シリンダーとピストンのクリアランスを空冷に比べて詰めることができるため、高出力
- オイルの消費が少なく粘度の低いものでも使える
- シリンダー周辺のクーラントが回るのでエンジン音が小さくなる
- エンジン効率も良く排気もきれいにできる
水冷エンジンのデメリット
- クーラント、ラジエター、ウォーターポンプなどのパーツが必要となりバイクとしての重量が重い傾向にある
- クーラント交換を2年ごとなどに行わないといけない
- 廃熱が集中するので真夏の暑さは空冷よりもやや不利
昔の水冷エンジンというのはメンテナンスが大変で、しかも壊れやすいというように言われる時代もありました。
しかし水冷エンジンの燃費がかなり良くなったなどその性能が随分と高くなりました。
そのため機能的に水冷エンジンのデメリットはほぼないといっても良いかもしれません。
空冷エンジンのメリットとデメリット
空冷エンジンのメリット
- 水冷よりもパーツが少ないために車体を軽くできる
- クーラント交換などが必要ないので整備が多少簡単
- 夏場の渋滞などでの暑さは廃熱を分散できるので水冷よりもややまし
空冷エンジンのデメリット
- エンジン温度の安定化の機能が弱め
- オーバーヒートを水冷よりも起こしやすい
- エンジンの温度が安定させにくく、シリンダーとピストンのクリアランスを空冷に比べて詰めることができないため、出力が出にくい
- オイルの消費が多めで粘度の低いものは適合しない
- エンジン音が大きめになりがち
- エンジン効率が水冷よりも落ちるので排気も汚くなりがち
油冷エンジンのメリット、デメリット
少し前のバイクで油冷エンジンというのもありましたが、メリットとデメリットとを考えるときには空冷エンジンとあまり大差ないとイメージして良いです。
ただ油冷エンジンは空冷よりもパワーが出やすいという機能的なメリットがあります。
空冷VS水冷!メンテナンスの手間を比較
水冷エンジンが故障しやすいという理由の1つに使うパーツがより多いというところに原因があります。
またそれだけメンテナンスにも手がかかりやすいということもいえますが、
- クーラントの補充、交換が必要
- 冷却フィンにホコリ、虫がつくので清掃する
といった作業が必要となるということです。
故障やメンテナンス頻度という意味ではパーツが少ないほうが絶対的に有利で、この点で水冷エンジンは不利といっても良いわけです。
空冷と水冷の真夏の暑さをより詳細に解説
真夏のバイクではライダーの感じる暑さもかなり重要です。
上でも少し記載しましたが、一般的には空冷のほうがまだ暑さはましといえますが、さらに詳しく順番をつけますと
水冷フルカウル > 水冷 > 空冷
個人的に最も暑いのは水冷のフルカウルです。
真夏だと火鉢を抱えて運転しているような感じですが、その次の水冷と空冷とでは大きな差まであるともいえません。
個人的にですが、空冷のほうが熱く感じる車種もあるのですが、個人差や車種ごとの個体差もあって逆転することもあるという程度に考えておいて欲しいと思います。
水冷エンジンの場合は購入時に廃熱方向がどこなのか、特に体に当たるような場所ではないかというのは体格にも合わせて考えるべきことといえます。
空冷VS水冷!恰好良さは比較できないほど差がある?
上では主に機能面の比較をしたのですが、ライダーにとっては外見も重要かもしれません。
外見については水冷エンジン派の私でもすぐに空冷のほうが勝ると感じます。
- 機構がシンプルで造形美がある
- フィンの形状によってはさらに美しさが出てくる
外見にこだわるのであればまず空冷エンジンがベストといえるでしょう。
空冷と水冷との乗り心地の違い
外見とともに乗り心地の違いも重要なところですが、結論からいいますとレースにでも出ない限り大差ないといった程度といえます。
ただどちらかといえば乗り心地だけいえば空冷のほうが上かなという程度です。
- 重量が軽い
- 独特の音が出るので味がある
という観点で空冷のほうが上だと判断しています。
重量に関しては水冷と空冷とを比較するよりも、2ストと4ストの違いのほうが走りに影響は大きいと思います。
地球温暖化と空冷、水冷エンジン
空冷と水冷エンジンの比較については今後の環境の変化も考えるべきだと思います。
意外と意識していない人もプロでも多いわけですが、真夏の暑さは10年前や20年前とはまた違うものがあります。
そのため少し前から真夏の渋滞中などでオーバーヒートするバイクも増加傾向にあると感じています。
この点で個人的には水冷エンジンのほうが今後の環境の変化への対応力という意味では良いのではないかと思っています。
オーバーヒートすることでバイクの寿命にも影響するわけで、耐久性という意味でも私の所有バイクはすべて水冷式に今はしています。
<スポンサード リンク>