バイクのエンジンでは吸気と排気という工程を行いますが、簡単にいいますとこの吸気と排気のタイミングが完全にずれないで重なる時期があります。
この重なりをオーバーラップというのですが、オーバーラップでは一定の音が出ることが多いです。
ただオーバーラップ音を別の症状の音と勘違いすることも多いのですが、今回はオーバーラップという現象について解説したいと思います。
オーバーラップとは?
たとえば4ストエンジンでは
- 吸気
- 圧縮
- 燃焼
- 排気
という4つの工程をエンジンで行いますが、よくいわれるようにこの4つの工程というのは明確に分かれているというわけでもありません。
実際には吸気と排気工程とは若干重なるタイミングもあり、この期間中は吸気バルブと排気バルブとは両方開いていることになります。
この両方のバルブが開いた状態をオーバーラップといいます。
オーバーラップのメリットとデメリット
さらにオーバーラップという現象の特徴を紹介していきますと
オーバーラップのメリット
- 中低速での充填効率のアップ
- 高回転、高出力になる
オーバーラップのデメリット
- 燃焼不安定
- アイドリングの不調
といったものなどがあります。
オーバーラップについては高回転ではメリットがありますので、オーバーラップの時間を長くすれば良いとなります。
ただし長くすれば中低速になると早く開くことで混合気が排気側に逃げていくというデメリットが出てきます。
そのため中低速に関してはオーバーラップは短いほうが良いわけです。
オーバーラップとアフターファイヤー音との違い
オーバーラップ音とアフターファイヤー、バックファイヤー音というのはよく勘違いされることもあります。
アフターファイヤー
- マフラー内での生ガスの燃焼
- バンという破裂音がする
バックファイヤー
- 燃焼ガスのキャブレターへの逆流で起きる現象
- 火災の原因となることもあり、アクセルを吹かせるときに音がする
というような違いがあります。
オーバーラップ音はどんな音?
結論からいいますとオーバーラップ音というのは正常な状態であれば運転中に聞こえるというほどの音量ではありません。
ときどきオーバーラップ音が好きという人もいますが、その大半はアフターファイヤー音のことを指して好きといっているといえます。
マフラーに穴が開いているというようなときであればある程度はっきりと聞こえますが、そう聞こえるほどの音ではないというようにいえます。
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