バイクのバッテリーの電圧を測定したときに、その数値が正常かどうかを見極めるのは意外と迷うものです。
バッテリーは劣化してくると一般的には電圧の低下をしてくるようになりますが、電圧もどのタイミングで、またどのような状態で計測したのかも数値に影響してきます。
今回はバッテリーの電圧を正常かどうかを見極める方法について紹介したいと思います。
バッテリー電圧の正常値はどの程度か?
バッテリーの電圧についてですが、
- 直接バッテリーの電圧を計測した 13V前後
- アクセサリー線からバッテリー電圧を計測 12.4V前後
- アイドリング状態 14V前後
というのが正常値の目安となってきます。
一般的にはバッテリーは電圧低下を劣化によって起こすほうが多いのですが、アクセサリー線から電圧を計測して12Vを下回るようであればバッテリーの交換時期と考えます。
バッテリー電圧の正常値と気温との関係
バッテリー電圧は計測する季節と気温でも正常値は変わってきます。
気温25度あたりがバッテリー性能が100%になるといわれていますが、これよりも気温が1度下がるごとにおよそ1%ずつ電圧が低下するとされています。
つまり真冬で5度などともなれば80%まで性能が低下しても正常値というわけです。
12.4V × 80% = 10V程度
真冬にバッテリーの電圧計測をするときには気温にも注意して見極めないといけないこともわかります。
バッテリー電圧が正常値よりも高い!その原因とは?
逆にバッテリー電圧が上のような正常値よりも高いことも出てきます。
たとえばアイドリング状態で灯火類を消した状態で15Vを超えているようなケースですが、このようなバッテリー電圧であればレギュレーターが故障しているということがまず考えられます。
ちなみに一般的に過電流というのはこの15Vを超えているような状態を指すことが多いです。
レギュレーターというのはバッテリー電圧を調整するパーツですが、故障によって電圧の調整ができなくなっていることが考えられます。
レギュレーター故障では球切れ、エンストがよく起きるなど症状や前兆はある程度出てくるので、該当していないかでも故障かどうかを判断できます。
レギュレーターについては詳しくは下のページで解説していますので該当しているかもというときには目を通しておいて欲しいと思います。
バイクメーカーによってバッテリー電圧の正常値も変わる?
ただ上で紹介したバッテリー電圧の正常値というのもあくまでも目安でしかありません。
一部のメーカーのバイクではバッテリー電圧が17V台にまでなるものもあります。
このような特殊?なメーカーのバッテリー電圧が正常かどうかを見極めるにはサービスマニュアルの電圧数値と比較して正常かどうかを点検します。
私も昔何度かあまりに高い電圧数値の記載されたメーカーに誤りでないかと確認したこともありますが、サポートには誤記載ではないと指摘されたこともあります。
マニュアルの数値がどうしても高いというときに心配であればメーカーに直接確認しても良いかと思います。
バッテリーの電圧の正常値と寿命、耐久性
バッテリーの電圧が気になるときにはバッテリーの寿命も気になるところかもしれません。
バッテリーの寿命、耐久性についてですが、結論からいいますと品質でも大きく違います。
オークションなどで安く売られている中古バッテリーは1年超でもダメになることも多いのですが、バイク用品店で価格も高めなものにすればかなり長く持つことも多いです。
ここではあくまでも中古品や安い海外製でないという前提で寿命について紹介しますが、一般的なバッテリーの寿命としては走行距離5万~7万キロといったことが多いというように考えると良いでしょう。
バッテリーの電圧的な話でいいますと、12Vを下回り11V台になってくればそろそろバッテリーの交換時期というように判断します。
エンジンの始動にも苦労するときにはバッテリーの電圧はすでに11V台半ばまで低下していることも多いかと思います。
バッテリー電圧が正常でもエンジンが始動しないこともある?
バッテリー電圧を計測し12.5Vなど正常な数値でもエンジンの始動性に問題が出てくるということもあります。
このときによくある原因はバッテリーの電圧は正常でも古いバッテリーであって容量が減少し、電力が不足してくることでエンジンの始動にトラブルが出てくるということです。
上でも記載しましたようにそのバッテリーで走った走行距離や経過年数などを思い出してみて欲しいのですが、寿命ということも多いはずです。
このケースに該当する人であれば定期的に充電をして使ってきたという人も多いはずですが、容量低下は充電では補えないところでもあります。
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