バイクではタイヤがロックするという現象がありますが、前輪ロックという現象について今回は解説をします。
バイクを普通に運転しているだけであればそうロックに遭遇することもないですが、万一のためにどう操作すれば転倒や事故にならないかを知っておくと良いでしょう。
前輪ロックとは?
ロックというのは急ブレーキをかけるなどで、ブレーキがタイヤの回転を強制的に止めてしまうことを指します。
前輪ロックはそのためフロントブレーキを急にかけることで起きますが、タイヤがロックすることで滑ってしまって転倒することにつながります。
前輪ロックによる転倒はライダーの間では握りゴケと言われることもあります。
前輪ロックは急ブレーキだけで起きるものでない?
前輪ロックというのはいわゆる
- 子供や動物の急な飛び出し
- 前の車の急ブレーキ
- 前方の事故
などで急ブレーキをかけたときに起きるというのは有名です。
しかしそれ以外のパターンでも起きることもあります。
- はじめはブレーキを弱めに握る
- その後、そこからブレーキを次第に強く握っていく
というように逓増的にブレーキを強めることでも前輪ロックがかかることもあります。
ポンピングブレーキのようにどこかで緩めるところもあればロックまでしませんが、初心者に多いと言われるこのような次第に強めていくブレーキでもロックが起きることもあります。
整備不良と前輪ロック
またブレーキをかけることだけでなくバイクの整備状態によっても前輪ロックが出やすくなることもあります。
- ブレーキのワイヤーの取り回しが悪い
- ブレーキの熱膨張によってロックが起きる
- ディスクブレーキの固着
- マスターのピストンの固着やキャリパーのスライドピンの固着
なども原因となることもあるので、すぐにバイクショップに持ち込むようにしてください。
ブレーキ回りの不具合はその後何もしなくても元に戻るように感じるかもしれませんが、急ブレーキなどでもなくロックが出るのは大変危険です。
前輪ロックから素早く立ち直り転倒しないテクニック
はじめて前輪ロックを経験してしまうとかなり焦ってしまうのでそのまま転倒してしまう人も多いかもしれません。
しかしある程度ロックも想定しておくと冷静に対処できます。
- 速度も必要以上に出さない
- 前3台あたりまで視線をおいておき、危険予測をして走る
上でもいいましたが前輪ロックは急ブレーキが原因ですので、すぐにブレーキを緩めるようにすればロックが解除されますので転倒までいかないことも多いのです。
もちろんそもそも急ブレーキを避けることが最大に重要なことですが、もし何かの状況で急ブレーキをしなければいけないときにはブレーキを緩めるというように覚えておいて欲しいと思います。
前輪ロックが起きたときのライダーの運転操作
ブレーキを緩めるということの他に、操作でもやるべきものがあります。
- 普段からシートに傾いて座らないようにするなど乗車姿勢にも注意しておく
- ロックが起きればニーグリップをすぐにきかせる
- 車体を立ててまっすぐにする
教習所の急制動とはある程度止まる位置などもわかったもので、実際の道路での急ブレーキとは違うものです。
ニーグリップをいきなりきかせることも非常に少ないのですが、それでも乗車姿勢とブレーキを戻すというとっさの行動だけでもできるようになっていると事態はましになるはずです。
バイクのABS義務化と前輪ロック
2018年にバイクにもABSが義務化されることになっていますが、このABSが導入されると前輪ロックという現象もそう起きないようになるといわれています。
ABSというのはアンチロックブレーキシステムの略ですが、
- ロックを防ぎ制動距離が伸びるのを防ぐ
- ステアリング操作を可能にする
というような目的があります。
ABSというのはタイヤが急ブレーキなどでロックしていると感知すれば、自動でブレーキの油圧を下げるような仕組みになっています。
この仕組みによってタイヤと路面との間に駆動力が復活し、操作が可能となるとされています。
つまりABSというのは急ブレーキ時に機械がロックを防ぐために自動的に機能するものとなります。
制動距離については駆動力の復活が早くなるので、その分だけ短くできるということです。
ABS自体が制動距離を短くするというものではありません。
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