空冷エンジンは水冷よりもエンジン温度が上がりやすくなっています。
真夏のオーバーヒートの可能性は水冷よりも不利といっても良いのですが、逆に真冬ではオーバークールなどへの耐性はどの程度あるでしょうか?
オーバークールは油温何度程度?目安の症状とは?
オーバークールの定義もあまり情報としてないかと思いますので、まとめておきますと
- 油温は50度以下あたりからオーバークールの疑いが出てくる
- 症状として出てくるのはブローバイ漏れの増加、BMEP低下(平均有効圧力の低下)、出力低下、燃料希釈、燃費の悪化
このあたりはオーバークールの1つの目安と考えて良いでしょう。
ちなみに油温50度以下になる気温の目安ですが、だいたいマイナス20度あたり以下というように考えて良いです。
オーバークールとオーバーヒートはどっちがエンジンに悪い?
オーバークールの逆の現象にオーバーヒートがあります。
どちらがエンジンに悪いのかということですが、どちらも良くないのですが、
- オーバーヒート 一回で廃車となることもある
- オーバークール 一回でバイクがすぐに動かなくなることは少ない
ということで被害の程度で考えるとオーバークールのほうがまだましといえます。
オーバークール耐性はどっちが強い?空冷VS水冷
オーバーヒート耐性は水冷エンジンのほうが上というのはよく知られたことですが、オーバークールについては空冷のほうが強いとされています。
- はじめて南極到達をした車が空冷エンジンだったこと
- 昨今の大寒波到来時でも水冷よりも空冷エンジンのほうが動きが良かったこと
このような点からオーバークールについては空冷エンジンのほうが強いとされています。
空冷のオーバークールとリコール
ただし一部のメーカーでは空冷エンジンでオーバークールが起きやすい仕様になっていてリコールされています。
空冷エンジンは基本的にオーバークールには強いのでまずリコール対象の車種になっていないかを確認すると良いでしょう。
空冷エンジンと真冬の北海道
私も20代のころ友人が北海道に土地を持っていて、そこで空冷エンジンで走ったこともありました。
当時の記憶ではマイナス17~18度あたりまでまったく空冷エンジンであれば何ともなかったです。
おそらくこれ以上気温が低くなるとバイク自体に乗れない、乗らないことが多くなるのでこの点でも空冷でのオーバークールは心配する必要もないと思いました。
国内で真冬に走るのであればあまりこれ以下の気温になることもないので、海外はともかく国内ではオーバークールについては心配しなくても良いといえるでしょう。
空冷エンジンとオイル温度の管理
ときどき空冷ではオイル温度に注意するべきという意見もあります。
オーバークールではないですが温度が下がりすぎることもあるというような考え方ですが、基本的には空冷エンジンは上でもいいましたように冬の寒さには強いのでそこまで神経質になることもありません。
エンジンが動けば国内の気温ではほぼ問題ないというように考えても構いません。
空冷エンジンとオーバークール対策
昔はオーバークール対策といえばラジエターの半分をガムテープなどで覆うというような方法をする人も多かったです。
最近はあまり見ないですが、冷気を遮断するという意味で一定の効果はあります。
ただ上でもいいましたが国内で走行する上ではメーカーもオーバークールをもともと計算して製作しているのでオーバークール対策も実際は必要ありません。
もしカスタムをしていない状態で油温が下がりすぎるようであればサーモスタットの故障なども点検するほうが良いかと思います。
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