バイクにおいてエンジンオイルは非常に重要な役割を果たしています。
エンジンオイルは市販されているものも多いのですが、その選び方がよくわからないということは多いかもしれません。
今回はエンジンオイルを選ぶという視点から粘度などの基礎知識について解説をしていきます。
バイクにおけるエンジンオイルの役割とは?
まずはじめにエンジンオイルはバイクにおいてどのような役割をしているのかについて解説します。
エンジンオイルというのはエンジンに対して下のような役割を果たしています。
- 潤滑
- 洗浄
- 防腐
- 冷却
- 密閉
つまりエンジンオイルがないとエンジンは正常に機能せず、しかも焼き付きなどをするので非常に危険な状態になるということを意味しています。
ややこしく感じる人は人間の血液のようなものがエンジンオイルと考えると良いでしょう。
エンジンオイルの3つの種類
エンジンオイルには3つの種類があります。
- 鉱物油
- 部分合成油
- 化学合成油
値段は下へいくほど高くなります。
鉱物油は最も安いのですが、高温に弱く120度ほどになると劣化し、しかもそれ以後は品質が回復しません。
高温になってしまうと鉱物油は交換するしかないというようにいえます。
部分合成油は鉱物油と化学合成油の両方のメリットを組み合わせたようなエンジンオイルです。
オイルシールが化学合成油に対応しない古い車種でも使えるので使い勝手は良いオイルとなります。
化学合成油は最も高いのですが、120度あたりの高温になって劣化しても、その後温度が下がることで品質が回復するので、高温に一度なっても交換までは必要ありません。
ただし車種によってはオイルシールが化学合成油に対応していないものもあって、その場合にはオイル漏れするので注意しなければいけません。
エンジンオイルの粘度など表示記号の見方
エンジンオイルには缶などに表示記号が記載されてありますが、これによってそのエンジンオイルの特徴を簡潔にわかるようにされています。
SAEとAPI規格
このSAEなどはエンジンオイルの基準テストを通過した製品であることを証明するものです。
SAEはアメリカの技術者団体で、APIというのはアメリカ石油協会のテストを通過したことを示します。
低温時のオイル粘度の表示
SAEなどの後に10Wなどという文字が続きますが、これは低温時のオイル粘度を示します。
ちなみにWとは冬のウインターの頭文字となります。
Wの前の数字が小さいほど寒さに強いエンジンオイルといって良いわけです。
寒いときに数字の小さなエンジンオイルを使うことで、
- エンジン始動性が良くなる
- 燃費が良くなる
といったメリットがあります。
高温時のオイル粘度の表示
10Wなどのすぐ後に10W-40などやや大きな数字の表示がありますが、これは逆に高温時の粘度を示す数字です。
つまりこの数字が大きいほど熱さに強いエンジンオイルとなります。
- エンジン保護性能に優れている
- エンジン音が静かになる
と数字が大きいほど高温時にこのようなメリットがあるエンジンオイルというようにいえます。
オイル粘度と対応する気温
上のようにエンジンオイルの表示を見ることでどのような気温に対応してくれるオイルかがわかるということです。
たとえば
- 10W-30 マイナス15度あたりから35度あたりまで対応
- 15W-50 マイナス12度あたりから43度あたりまで対応
- 20W-50 マイナス9度あたりから52度あたりまで対応
代表的なオイル粘度表記はこのようなところではないかと思いますが、自分の居住する地域などを参考にしてマッチするエンジンオイルを選ぶようにしていきましょう。
エンジンオイルのグレードを示す表示
10W-40などの後にSLやSGといったような英語の表記が最後に続きます。
これはそのエンジンオイルのグレードを示すものとなります。
SAからSNまでAPI協会による11段階のグレードを設定されていますが、基本的にSの後のローマ字が後ろになるほどグレードの高いエンジンオイルとなります。
たとえばSAよりもSBのほうがグレードが高く、SNが最高グレードということです。
このエンジンオイルのグレードが高いとどのようなメリットがあるのかということですが、
- かじり防止、酸化安定性がつく
- デポジット防止、摩耗防止、錆止め防止といった効果がつく
- 腐食を防止する
- スラッジ防止、高温洗浄性がつく
- 蒸発性、せん断安定性がつく
- オイル劣化防止性能が優れる
- 耐熱、浄化性能に優れる
- 燃費向上や触媒システム保護性能がつく
というようになっていきます。
要するにグレードの高いエンジンオイルほどエンジンや触媒などバイクにとって良いもので、エンジンオイル自体の耐久性も良いということです。
私が個人的におすすめするのはSL、SM、SNの3つです。
このあたりのグレードになるとエンジンの劣化、エンジンオイル自体の耐久性に優れていて、SNともなれば触媒の劣化にもメリットが出てくるはずです。
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