バイクを転倒させてしまうと急にエンジンがかからないようになってしまうこともあります。
エンジンがかからないということではいくつかの原因が考えられますので、パターンごとに分けて解説をしていきます。
転倒時にまず確認するべきこと
今から転倒時の対処について解説していきますが、その前に冷静にチェックして欲しいことがあります。
仮にエンジンがかかるようになっても、このチェックをしておかない状態で慌てて走れば事故になることもあるからです。
- ハンドルが曲がっていないか?
- レバー類を損傷していないか?
- クランクケース、ジェネレーターカバー、サイレンサーに損傷がないか?
- センサー類がつぶれたり、コードが切れたりしていないか?
- ウィンカー、ミラーは損傷していないか?
最重要なことはハンドル、レバーです。
いつも通りに運転できないようになっていないか確認するようにしましょう。
転倒でセルは回るがエンジンがかからない
転倒で最も多いエンジンのトラブルとしてセルは回るがエンジンがなぜかかからないようになってしまうというケースです。
このケースでまず考えられるのはスパークプラグの異常です。
スパークプラグというのは火花を飛ばしてガソリンを爆発させるパーツです。
- スパークプラグが転倒時にガソリンで濡れた
- 雨の日の転倒であればスパークプラグに水などがかかった
というようなこともよくありますが、これによってセルがかかってもエンジンがかからないというようになります。
せっかちにセルをその後も何度も回してしまう人もいるかもしれませんが、あまり良くありませんので、しばらくスパークプラグが乾くのを待つほうが良いです。
30分ほどすればプラグが乾きエンジンがかかるようになることもあります。
停車中に転倒してエンジンがかからないようになった
走行中でなく停車中に転倒してエンジンがかからないようになったというようなこともあります。
このときにはあまり心配する必要もありませんが、しばらくエンジンがかかりにくいようになっています。
- キャブレターが横になることでフロートチャンバーのガスが抜けてセルを回してもエンジンがかからないようになる
- スパークプラグがガソリンで濡れてエンジンがかからない
というような現象が起きていることが多く、どちらのケースだとしても結論としてはしばらく待つとエンジンがまたかかるようになるので焦らないで待つということが必要です。
上で紹介しましたようにプラグにガソリンなどがかかっている可能性もなくもありませんが、通常の停車中の転倒ではそこまでは考えにくいのでプラグ交換などもまずいりません。
しばらく待ってみるということで普通にその後エンジンもかかり走れるようになることが多いはずです。
インジェクション車で転倒によってエンジンがかからない
インジェクション車ではガソリンの漏れによるエンジンがかからないということはまずないといって良いです。
多くの場合には
- 角度センサーが転倒を検知する
- それによってコンピューターが燃料系の電源を遮断する
- エラーをはくようになってエンジンがかからない
というような現象が起こります。
つまりコンピューターを再起動させて異常でないことをバイクに知らせないといけませんが
- キー、キルスイッチをオフにする
- 再度オンにする
というようにすることでエンジンがかかるようになります。
もしこのようにしてもエンジンがかからないというときにはインジェクション車であればコンピューターに障害が出ていることもあります。
その場合には自力での修理はまず無理なのでバイクショップに持ち込むようにしてください。
転倒してエンジンがかからない セルが回らない
より深刻に思えるケースとしてセル自体も回らないというようなこともあります。
セルが回らないということでまず考えられるのは
- 転倒によってガスが混入しエアの吸い込み口までふさいでしまった
- セルモーターのヒューズが切れた
- バッテリーに不具合が出た
というようなことです。
セルも回らないというのはそこまで確率は高くありませんが、一応考えられる原因として列挙しておきます。
ガスが原因となっていればしばらく放置すればまたセルが回るようになることもありますが、
- フロートチャンバーの全てのドレンよりガスを全部抜く
- チョークがあればチョークを引いて始動する
というような方法でエンジンがかかるようになることもあります。
もしこれらが原因であっても工賃も2000円程度から直ることもあるので、やはり思うほど深刻でないことが多いはずです。
バッテリーもただ交換するだけでまた普通に走れることもあります。
<スポンサード リンク>