バイクのクラッチは走行距離や経過時間によって重くなってくるなどの症状が出てくることもあります。
このような症状はクラッチワイヤーへの注油時期といえますが、クラッチワイヤーへの注油方法はいくつか種類があるので、パターンごとに分けて解説をしたいと思います。
簡単にクラッチワイヤーの注油をする方法
クラッチワイヤーを外さない状態で注油することができます。
- クラッチレバーの付け根のゴム製のカバーを外す
- ロック用と調整用のネジの切れ込みを揃える
- その揃えた箇所からシリコンスプレーを注油する
- 注油中はクラッチレバーを握る、離すを繰り返しながら行う
この方法だと数分でクラッチワイヤーへの注油が行えるはずです。
このワイヤーを外さない簡単な注油方法は3ヶ月に1度程度行えばまず問題のないことが多いです。
ワイヤーを外してクラッチワイヤーへの注油をする方法
ワイヤーの奥まで確実に注油を届かせる方法です。
ワイヤーを取るので多少作業は長くなりますが、1年に1度程度行うと良いでしょう。
- ロック用と調整用のネジの切れ込みを揃える
- レバーを止めているネジを外す
- まずは下側のナットを外し、その後に上側のボルトを抜く
- ワイヤーインジェクターをワイヤーエンドとエンドキャップの間にセットする
- ワイヤーインジェクターの穴からシリコンスプレーを注油する
- 可動部にグリスを塗って逆の手順で元に戻す
ワイヤーインジェクターは1000円前後でも販売されていますので1つ購入しておくと良いでしょう。
油圧式クラッチのクラッチフルードの交換
油圧式ではクラッチフルードを使っていますが、この場合にはフルードの交換を行います。
- 走行距離 2万キロ
- 経過時間 24ヶ月ごと
ということでだいたい車検のときなどに合わせてクラッチフルードの交換を行うと十分になります。
クラッチフルード交換の目安としては、その色が茶色になってくるなど汚れてきたときとなります。
- ドライバーでリザーブタンクのフタを外す
- フタのすぐ下にあるセパレター(ゴム製のものが多い)も外す
- セパレターに水分が付着していればウエスで拭き取る
- リザーブタンクにクラッチフルードを入れる
- クラッチレバーを握る、離すを繰り返して古いクラッチフルードを排出する
- この排出中はリザーブタンクのフルード残量が減ってくるので常に半分以上になるように注意すること
- しばらくこのクラッチフルードの排出を続けて、排出されるクラッチフルードが透明になれば排出完了
- あとはセパレター、リザーブタンクのフタを元の通りに閉めて作業を終える
クラッチワイヤーへの注油の工賃
クラッチワイヤーの注油について簡単な方法だとともかく、ワイヤーを外したり、油圧式という場合には自分ではできないという人も多いかもしれません。
その場合にはバイクショップで作業をしてもらうと良いでしょう。
- 工賃 1000円前後
- ただし油圧式は若干高く2000~3000円前後が相場
となります。
作業時間としては20~30分程度で終わるので持ち込むとしばらく待てば終わるというような感じです。
クラッチワイヤーの寿命はどの程度?
今回紹介しましたようにクラッチワイヤーへの注油を適度に行っているとバイクよりも長持ちするワイヤーのほうがまず多いはずです。
しかし注油をしていないバイクでは突然クラッチワイヤーが切れるということもあります。
私の知る限り、このように注油をしないまま乗っていて突然クラッチワイヤーが切れたというケースは最短で4年過ぎだったと思います。
使い方や管理状況にもよるので、注油しなくてももう少し持つバイクのほうが多いと思いますが、注油だけしていればまず寿命を気にするようなパーツではないといえるでしょう。
クラッチワイヤーを交換すればどうなるのか?
クラッチワイヤーが切れたり、またどうしても重くて注油しても改善しないというときには交換することもできます。
クラッチワイヤーを交換すればかなり軽くなり、新車の時代を思い出すようになります。
ちなみに似たものにブレーキワイヤーというものもありますが、もし交換というようになれば驚くほど軽くなります。
注油していればクラッチワイヤーを交換することもまず必要ないのですが、最終的にはワイヤー自体の交換という方法もあると理解しておく程度で良いでしょう。
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