クランクシャフトでは芯出しという作業を行うことを検討することもあります。
完全にまっすぐなクランクシャフトというのも実は少なかったりするのですが、この芯出しのような作業にどこまで効果があるのかについて解説をしたいと思います。
クランクシャフトとは?
クランクシャフトというのはエンジンのパーツの1つです。
ピストンの往復運動を 回転力に変えるための軸としての役割を持ちます。
エンジンが回るときには高速回転を常時しているのがクランクシャフトですが、その機能においては
- 強度
- 剛性
- 摩耗に強いこと
というような性質が必要となってきます。
そのために今のバイクでは炭素鋼やクロムモリブデンといった特殊金属が使われることが多いといえます。
クランクシャフトの芯出しとは?
ではクランクシャフトの芯出しとはどのような作業を行うのでしょうか?
簡単にいえばクランクシャフトの軸、中心を出すということを意味します。
特に過酷なレース走行をするバイクではクランクシャフトへのダメージは想像以上で、芯出しをすることでエンジンの回転がスムーズになるということもあります。
クランクシャフトの芯出しはどのような作業を行うのか?
クランクシャフトの芯出しとは具体的にどのような作業を行うのでしょうか?
- ハンマーでクランクを叩く
- 叩くことで微調整する
というようなものとなります。
ちなみに理想的な芯出しというのは標準値3/100mm、限度5/100mmまでに合わせることです。
理想はゼロかもしれませんが、組み立てのちょっとしたショックでもブレは出てくるのであまり神経質にならないようにすることも重要です。
クランクシャフトの芯出しは必要?
このようなクランクシャフトの芯出しというのは主にレース走行を想定した作業であって、通常街乗りやツーリング程度を行うだけであればまず必要ないといって良いです。
最近のバイクは出荷時にクランクシャフトはかなりの精度にすでになっているので、まず必要ないというようにいえます。
ただごくごくまれにエンジンには個体差というものがあり
- クランクシャフトが曲がっている
- クランクシャフトが回転時に振れてしまう
というようなバイクもあって、そのときに芯出しをすることがごくごくまれにありえるという程度で考えておけば十分だといえます。
たまに芯出しを毎回のバイクにする人もいますが、このような観点から考えると多分に自己満足といって良いといえます。
芯出しの相談をされることもありますが、点検すればそのほとんどでクランクシャフトはほぼ正常であって、芯出しする必要性はないといえました。
神経質な人でもたまに病的に芯出しをするということもあるようです。
クランクシャフトの芯出しができていないバイクのデメリットとは?
とはいえ完全に芯出しができているバイクのほうが圧倒的に少ないわけですが、芯出しができていないデメリットとしては
- クランクシャフトの回転数でロスが出る
- クランクベアリングに負担がかかる
というようなこともあります。
このような結果、ベアリングの寿命が多少縮まるというようになりますが、完全に芯出しできているバイクも少ないわけで、誤差の範囲内といって良いです。
オーバーホールと芯出し
クランクのオーバーホールをしようというときにも芯出しとバランス調整もセットで行うほうが効果は出ます。
もちろんオーバーホールだけ単独でやってもそれなりに効果は出ますが、上でもいいましたがここまで徹底的にすると工賃は10万をはるかに超えてきます。
上でもいいましたようにクランクシャフトの芯出し、オーバーホールというのは不具合が出てから行うことで普通のバイクは十分ですので、無駄に費用をかける必要性もまずないと思います。
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