パイロットスクリューの役割について質問がありましたので、説明したいと思います。
簡単にいいますとパイロットスクリューというのは空気とガソリンの混合気の量を適切に調整するものといえます。
アイドリング状態でパイロットスクリューは役割を果たす
アイドリング状態であればスロットルが全閉となります。
この状態ではガソリンはメイン系(正式にはニードルジェットといわれます)とは別の経路を通るようになります。
アイドリング状態ではこのガソリン経路も別に用意(スロー系といわれます)されていて
- 通路はスローポートやアイドルポートと言われる
- ガソリン量はスロージェットが調整する
- 空気の量はスローエアジェットが調整する
- 空気とガソリンの混合気をパイロットスクリューが調整する
というようにそれぞれ役割が分かれています。
パイロットスクリューの開閉と混合気の調整
パイロットスクリューはネジのように回して調整を行いますが、開閉のどちらに調整すれば濃淡の状態になるのかわかりにくいという人もいるかもしれません。
パイロットスクリューの開閉についてですが、
- 緩めると混合気は薄くなる
- 締めると混合気は濃くなる
というようになります。
ただしパイロットスクリューの位置も重要で、
- 主に4ストで、スロットルバルブ(バキュームピストン)よりエンジン側にパイロットスクリューがあると締めると混合気は薄くなる
- 主に2ストで、スロットルバルブ(バキュームピストン)よりエアクリーナー側にあるときには締めると混合気は濃くなる
といようになります。
パイロットスクリューとエアスクリュー式の違いとは?
スロー系の混合気の調整システムではパイロットスクリュー式とともにエアスクリュー式というタイプもあります。
エアジェット、スロージェットなどの役割は変わりませんが、特に違うのがスクリューの位置になります。
- パイロットスクリューはエンジン寄りに設置されている
- エアスクリューはエアクリーナー寄りに設置されている
というようになっています。
- エアスクリューは締めると混合気は濃くなり、緩めると薄くなる
- パイロットスクリューは締めると混合気は薄くなり、緩めると濃くなる
ということで開閉により逆の効果が出てきます。
エアスクリューは設置位置から空気側を調整して空燃比を微調整しますが、パイロットスクリューは設置位置からも空気とガソリンの両方の量を調整するような仕組みになっていることがわかります。
パイロットスクリューの調整方法
パイロットスクリューの調整方法ですが、いくつかポイントがありますので紹介したいと思います。
- メイン、ニードルをはじめに調整し、スロー系は最後に調整するのが一般的
- パイロットスクリューの調整では濃い目から行い、そこから微調整するようにする
- パイロットスクリューの調整は1回転半から2回転を締める、緩めるというような範囲で行う
- 一般的な調整としては最もアイドリングが高くなるところに決める
タンクを外して調整するとよりやりやすいのですが、面倒であればタンクをつけたままでもできなくはない車種が多いと思います。
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