ディスクブレーキ全盛の現在ではドラムブレーキは機能的に落ちるのではないかというようにイメージしている人もいるかもしれません。

しかしブレーキの性能としては決してディスクブレーキよりも落ちるということもありませんし、バイクによっては今でもドラムブレーキが採用されているものもあります。

ただディスクブレーキと同様に点検や交換が必要となってきますので、今回はドラムブレーキについて解説をしたいと思います。

 

ドラムブレーキの構造

 

ブレーキパッドによって両側から挟み込むことでその摩擦によってブレーキをかけるのがディスクブレーキです。

一方でドラムブレーキというのは

 

  • 車輪と一緒に回転する円筒形のブレーキドラムがある
  • このブレーキドラムの内側にブレーキシューを押しつけることでブレーキをかける
  • ブレーキシューでも特に摩擦で摩耗するのはブレーキライニングと呼ばれるパーツで定期的に交換が必要

 

ということでパッドではありませんが、基本的に摩擦によってブレーキをかけるという構造自体に違いはありません。

 

ドラムブレーキの摩耗や劣化の点検方法

 

ドラムブレーキでは主にブレーキライニングの減りを点検しなければいけません。

その点検方法としてはブレーキンジケーターで行います。

 

  • カムレバー付近にあるブレーキンジケーターを確認する
  • ブレーキペダルを下げる、ブレーキペダルを握る
  • この状態でブレーキンジケーターが適正範囲内に入っているかを確認

 

範囲内に入っていなければブレーキライニングの交換を行います。

 

ドラムブレーキの交換時期は?

 

ドラムブレーキのブレーキライニングの摩耗はおよそ15000キロごとに行います。

ブレーキパッドよりも若干長持ちするわけですが、車検のないバイクは特に走行距離に注意して点検をしておいてください。

 

ドラムブレーキのブレーキライニングの交換方法

 

ブレーキライニングの交換はそこまで難しい作業ではありません。

慣れれば40分ほどでできる作業ですので興味のある人は挑戦してみてください。

 

  • ハブナットを外す
  • スイングアームを車体に固定しているネジを抜き、スイングアームを車体から外す
  • 車輪を車体から外す
  • ブレーキシューを外す
  • ブレーキシューを留めているスプリングの向きを必ず忘れないようにおぼえておく
  • 鳴きを防ぐために新しいブレーキライニングをサンドペーパーで磨く
  • ブレーキドラムの内部をクリーナーで掃除する(ベアリングには飛ばないようにすること)
  • 可動部にはグリスを塗る
  • 逆の手順を行い、ブレーキシューをつけて車輪を元に戻す

 

せっかく車輪を取るので合わせてカムレバー周辺のできれば掃除しておきたいところです。

またドラムブレーキの交換は特に難しくないのですが、元に戻すときに最初どうなっていたのか思い出せないということはよくあります。

上でも少し説明しましたがブレーキシューのスプリングの向きとともに

 

  • インジケーター周辺の取り付け方法
  • カムレバーのカムへの装着

 

慣れないうちはこのような3つの箇所をデジカメで写真を撮るなどして現状回復できるようにしておいてください。

最悪回復できないときにはバイクショップに持ち込むと元には戻してくれるので慌てないようにしてください。

 

ブレーキライニングの交換での工賃

 

上のように作業としては慣れれば特に問題ないのですが、自分では交換できない、交換したくないというような人もいるかと思います。

バイクショップに持ち込むと30~40分ほどですぐに交換してくれますが、その工賃としては

 

  • ブレーキライニング交換の工賃 7000円前後
  • ブレーキライニングのパーツ代 5000円前後

 

というようなものになってきます。

 

ドラムブレーキの調整方法

 

ブレーキの具合を変えるにはドラムブレーキでは遊びの調整を行うと良いです。

 

  • アジャストスクリューを回すことでドラムブレーキの調整は行う
  • 多くのバイクではこのスクリューは手で回すことができる
  • 調整の度合いとしては、ブレーキを引きずらない程度にする

 

というようにすれば良いでしょう。

アジャストスクリューがどうしても手で回せないときにはスパナなどの道具を使うと良いです。

 

ドラムブレーキの異音や鳴きは異常ではない?

 

ドラムブレーキは新車の段階、あるいは車検後などブレーキライニング交換直後から鳴くということはよくあります。

その多くはキーという異音になりますが、これは異常ではないことが多いです。

ブレーキをかけるうちに鳴きがなくなることが多いので、様子を見ていくと良いでしょう。

どうしてもすぐに高い異音をなくしたいときには

 

  • ブレーキダストを飛ばしてもらう
  • ブレーキライニングの研磨をしてもらう

 

というような方法もあります。

ただ異音でもゴー、グーというような低い音はドラムブレーキ故障時の音で、早急にバイクショップに行くようにしてください。

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